利益確定は損切りと同じくらい重要!

投稿者: | 2015年9月16日

株の取引を行う際に「損切り」がいかに大事かという話は聞いたことがあるでしょう。大切な資産を守るために、リスク管理という意味で損切りは非常に重要な要素となります。損切りの大切さについては書籍やネットでも耳が痛くなるほど言われているので、できるできないは別として意識しやすくなっているのではないでしょうか。しっかりとしたマイルールを持ってシステマチックに損切りをしている人も多いと思います。

でも、実際に株を始めてみると、この損切り以上に難しいのが「利益確定」だということに気付くと思います。少しでも利益が出たら我慢できずにすぐに決済してしまう。逆にタイミングを逃してしまい結局利益を大幅に減らして慌てて決済する。そのような経験をされた方は多いのではないでしょうか。銘柄選びも株を購入するタイミングも合っているにもかかわらず、うまく利益が取れないというジレンマに陥ってしまいます。一体どうしてこのようなことが起こるのでしょう。システマチックにマイルールに則って利益確定をするにはどうしたらよいのでしょうか。

利益確定は精神面・心理面での勝負!

「プロスペクト理論」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは行動心理学における意思決定モデルのひとつです。

人間の心理として、確実に利益を得られる場面においては何よりもリスク回避を優先し、逆に損失を被る場面においてはできるだけ損失を減らそうという行動に出るというものです。こういった心理は投資の世界でも全く同様に作用します。自分のポジションに少しでも利が乗ってくると、その利益を失うことを恐れ、なんとしてもその利益を確保したいと思うのです。「一度出た利益がなくなるのは我慢できない」という心理。これが「早すぎる利益確定」につながるのです。

そして、自分が薄利で利益確定をしたあとに株価が大きく上昇するのを見て「あのまま売らずに持っていたら今ごろは…」と悔しい思いをしてしまうのです。悔しく思うだけならまだよいのですが、上昇し続ける株価を見て我慢できずに再エントリーしてしまったという経験をお持ちの方も少なくはないでしょう。感情的になって高値圏で再エントリーしてしまったために、その後株価が下落して結局最初に確定した利益分は消えてなくなるなどということになりかねません。

このように人間にとって自然の心理が働く以上、トレードをする際にはいかに精神面で強くなれるかが重要になってくるでしょう。

理想は「損小利大」!?利益確定と損切りの関係

そもそも投資というのは資産を増やすために行うものである以上、このプロスペクト理論で見られるような心理が自然に働いてしまうということは受け入れなければなりません。その上で、理想的なトレードの形と言われている「損小利大」を実現していくのです。そのためには、ある程度感情を排除して、利益確定と損切りの両方について自分なりのシステム(ルール)を採用していく必要があります。

まず、投資をするときに絶対に損をしないということはあり得ません。利益も出れば損失も出ます。損をすることもあるという前提でルール作りをしましょう。資産を増やす仕組みは非常にシンプルで、トレードを重ねる中で「利益>損失」の状態にしていくだけなのです。

しかし、プロスペクト理論で表される心理のままに行動した場合どうでしょう。小さな利益をコツコツ積み上げても、たった1度の大きな損失でプラマイゼロ、もしくはマイナスの状態になってしまいます。「利益<損失」の状態で逆に資産を減らしてしまうのです。つまり1回1回のトレードの勝ち負けではなく、最終的な損益を「利益>損失」にするという1点だけを常に意識してトレードをしていくことが大事になってきます。

そのために、利益確定と損切りのルール作りというのが非常に重要になってくるわけです。特に利を伸ばせば伸ばせただけ「利益>損失」は達成しやすくなるのです。

具体的な利益確定のタイミングとは?

理屈は分かったけど、実際にどのタイミングで利益確定をすればよいの?という方へ。

株価が50円上がったらでしょうか?10パーセント上がったらでしょうか?3日たったらでしょうか?

実はこれに正解はありません。底値で買って天井で売るというのは理想ですが、株価がどこまで上がるかなんて誰も正確に当てることなどできませんよね。なので、上に列記したような値幅や値上がり率、保有時間でマイルールを決めて利益確定をするというのも当然アリです。ただし、そのときに値幅や値上がり率を極端に小さく設定しないようにしましょう。例えば利益確定のルールが+30円で損切りのルールが-50円では、ほぼ確実に資産は減り続けますよね。

そして、利益をうまく伸ばしながら最低限の利益も確保するというやり方として一番よく使われている手法は、逆指値を使って利益確定ラインをあげていくというやり方です。例えば、株価が買値から50円上がったとします。そこから株価はさらに上昇するかもしれないし、反転して下落基調になるかもしれません。そこで、例えば現在値から-30円(買値から+20円)で逆指値オーダーを出しておくのです。

これによって現在値から株価が下がったとしても+20円の利益を確保しつつ、逆に株価が上がっていった場合にはさらに利益を伸ばせるというものです。株価が上昇するごとにこの逆指値のラインを上げていけば、リスクを回避しつつ利益をどんどん伸ばしていくことができます。

含み益は「絵に描いた餅」にすぎません。しかし、早すぎる利益確定は逆に自分の資産をリスクにさらすことにもつながりかねません。トレード経験を積みながらこのバランスをうまくとらえ、自分のトレード手法に合った利益確定・損切りのルールを作り上げること、そして感情に流されないトレードをすることが何よりも大切でしょう。